家守りとしての想い
先日、テレビで小豆島の醤油蔵の特集を放送していました。その内容は、『今は失われつつある、日本の美徳を守る職人の戦い』と称したもので、今を生きる職人が、こらから何をするべきか、忘れかけた『伝承』という文字の重さを、ある醤油蔵を例に痛感させられた内容でした。
では建築の世界では、どうでしょうか?
家は雨風をしのぐための竪穴式住居から始まり、それと同時に、住みやすく快適に過ごせるような工夫もなされてきました。建築は、時代から時代へと様々な変化を遂げてきたのです。自然災害から人を守るため、大きな材料で木を組むことによって、より丈夫な家へと変化。しかし、コスト削減を理由に、瞬く間に材料は細くなり、大黒柱という言葉はなくなりつつあります。外壁は、土をより粘りのある物にし、竹を組み、土壁を使った建築へと変わりました。やがて、より快適にと、断熱材がつくられコストも工期も大幅に軽減されました。しかし、施工された断熱材自体が腐り、カビが生える現象が生じてしまいました。
百年の家プロジェクトの家づくり
しかし百年の家では、大きな地震の被害により耐震による考えが強化し、強い地震を想定したシュミレーションもできるようになり、断熱材が壁の中で腐る原因を突きとめ、断熱材の性能を維持できるようになりました。
このように今も進化し続ける建築ですが、昔から唯一変わってないことが『家は、人間を守る』ということ。しかし『ヒートショック』や『シックハウス症候群』などの家庭内事故が起きていることも現実です。このような、絶対に起きてはならない家の中での事故は、作り手にも問題があると思います。
家づくりの想い
私たち家守りは、「そこに住まう人が健康に長生きする」「長持ちする家」「家守りが継承する」この3つを大切にしています。
家庭内事故やアレルギーの原因を突き詰め、建築家である以上、責任をもって家を提供できるように、追及していくとともに後世に恥じることのないよう、残していき伝えていきたいと考えています。そして、これからも進化していくすべての知識・技術のタスキを後世に繋げる義務があると確信し家づくりをしています。