熱を知ると家づくりも変わる
お世話になります。(株)住宅工房ライブスです。
日々の寒さが堪える季節となりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
家守りとして
平井家も親父が住んでいる母屋をなんとかしないといけません・・・
築70年の母屋は、土壁で外回りの建具も木造のため、隙間だらけのうえに床・壁・天井と無断熱の状態です。
冬場の暖房や夏場の冷房を嫌っていた親父は、『寒い暑いは当たり前、設備機器に頼ると体が弱る!』と言っていた事を思い出します。
家とは人が安心して安らげる場所だと思っております。
心も体も安らげて、日々の活力を蓄える場所。
そんな家が、寒くてストレスを抱えるなど、冷えからくる様々な病気の原因になってはいけないと考えております。
さて、今回は寒さ対策と熱の伝わり方について解説します。
住まいの寒さでお困りの方の参考になれば幸いです。
熱の伝わり方についてのお話
私たちの身の回りにある熱は一体、どのように周りに伝わっていくのでしょうか。
熱の伝わり方について知っておくと、快適な温熱環境の理解がぐっと深まります。
今回は『伝導』『対流』『輻射』の3つの熱の伝わり方について、それぞれ簡単に説明します。
最初に熱は高温側から低温側へ伝わりますのでそのことを理解しておいてください。
①伝導
『伝導』とは物質のなかを熱が伝わること。
固体>液体>気体の順に熱を伝えやすい性質があります。アツアツの鍋は素手でさわることができませんが、乾いたタオルごしには触るこができます。これはタオルに含まれる空気が熱を伝えにくくしているからなのです。
*熱くなった鍋を鍋つかみで持てば熱くない。
②対流
『対流』とは熱を蓄えた気体や液体が、移動することで熱を他の物質に伝えること。お風呂に入って熱いのは上の方だけで下はぬるい、という経験はありませんか?これは熱によって膨張し、比重が軽くなった水が上部に集まり、反対に冷たく重い水が下にたまるためおこる現象です。
*沸いたお風呂に入ったら、上だけ熱かった。
③輻射
『輻射』とは熱が電磁波の形で物体から物体へ直接伝えられる現象。寒い日に焚火にあたると暖かいのは、焚火の熱エネルギーが直に人体に届くからで、まわりにの気温が高くなったからではありません。その証拠に前に人がきて、焚火の熱があたらなくなると、とたんに寒くなってしまいます。
*焚火も前に人がいると途端に寒く感じる。
なんだか難しそうな、目には見えない熱の伝わり方ですが、理解することでより快適な暮らしに近づけることでしょう。
ちょっとした疑問と豆知識
雨戸やシャッターは防寒になるのか??
冬の夕暮れから、雨戸やシャッターを閉めると、なんとなくあたたかいような気がするのですが、実際にはどうなのでしょうか?
雨戸やシャッターを閉めて、少しでも防寒対策になればいいと思うのですが・・・
最近のお家では金属製のものが多いので、熱はよく通します。したがって断熱効果は期待できません。
しかし、雨戸やシャッターを閉めると、実際には窓からの放射冷却を減らし、窓付近でおきるコールドドラフト(冷気対流)を減らすことができます。
つまり、雨戸やシャッター自体は、断熱効果はあまりありませんが、窓とシャッターの間に動きにくい空気層が生じるので、放射冷却の減少に加えて僅かではありますが、窓部分の断熱性能も上がると考えられます。
雨戸やシャッターは防寒になる
雨戸やシャッターなしの窓ガラスが露出している場合には、寒風が窓ガラスに直接あたり、窓ガラスを強く冷やします。そうすると、ガラスやサッシの内側への結露なども生じやすくなります。
断熱性能はガラス+空気層+アルミなど個々の断熱性能の総和と、それ以外に内外表面にあたる気流により変わってきます。
雨戸やシャッターを閉めている場合にも、雨戸やシャッターの内外において気温差はさほど生まれません。
しかし、風が窓ガラスに直接当たらなくなるため、窓ガラスやサッシの冷やされ方が緩和され、窓内側の空気が冷やされにくくなります。結果的に室内が冷えにくくなり、雨戸やシャッターを閉める行為は防寒になるということになります。
寒さ対策や窓の結露をなんとかしたい等々、お困りごとがございましたら、気軽にご連絡下さい。